細菌性のプラーク(歯垢)が歯の表面に蓄積することによって、歯を支える組織に炎症が生じ破壊されていく疾患です。歯垢が除去されなければ歯周疾患は進行し続け、最終的には歯を失うことになります。この細菌性プラークに唾液中のミネラルが加わると硬い「歯石(歯の表面に付着した濃黄色あるいは濃茶色の沈着物)」になります。歯石が形成されるとさらにプラークが付きやすくなります。
近年、動物の寿命が延び、この歯石が付着していることによって歯周疾患が気づかないうちに進行し、歯が抜けてしまうことが非常に多く見られます。
またプラークや歯石は大量の細菌を含んでいるため、歯周疾患だけでなく心内膜炎、腎炎、骨髄炎などの重大な疾患を引き起こすことがあります。
●歯石除去処置
歯を失うだけでなく、重大な疾患を引き起こす可能性のある歯石は、ある程度蓄積したら除去する必要があります。
●当院での歯石除去処置の流れ
超音波スケーラーなどを用いて除去します。残念ながら動物はこの治療に協力してくれませんので、処置を行うにあたり全身麻酔(吸入麻酔)が必要になります。
費用は動物の体重や年齢、歯の状態などによって異なりますので、お気軽にスタッフにお尋ねください。
※動物の年齢や状態によっては事前の血液検査、レントゲン検査、抗菌剤の投薬などが必要になります。
前日から食事管理をおこないます。
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通常、処置を行う朝(9〜11時頃)にご来院いただき麻酔前の検査を行います。
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異常がなければ当院の昼休みの時間帯(12〜16時の間)に処置をします。
麻酔 → 歯石除去(必要があれば続けて他の歯科処置) → ポリッシング(歯の表面の研磨) →終了 |
処置が終了したら麻酔の覚醒を行います。このときに異常が出ることもあるため状態が安定するまでは院内でしばらく様子を観察します(2〜3時間ほど)。
異常がみられなければ、診療終了時間までにお迎えに来ていただきます。
※処置の内容によっては一泊程度の入院が必要になります。
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帰宅後しばらく様子をみて、状態に異常がなければ少しずつ食事や水を与えることができます。
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